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2012 年度 実績報告書

1920年代における日本の朝鮮植民地統治構造形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23820068
研究機関同志社大学

研究代表者

小川原 宏幸  同志社大学, 言語文化教育研究センター, 助教 (10609465)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワード朝鮮 / 植民地統治 / 民衆運動 / 社会主義運動
研究概要

本研究の目的は、植民地支配の構造、特にその本質である暴力性を、植民地権力と在地社会との支配の合意調達をめぐる動態的な関係から明らかにすることにある。特に、朝鮮民族と共有しうる政治文化の創出が模索されたと見なすことが可能な「文化政治」という植民地統治形態を取り上げ、支配のヘゲモニーをめぐる植民地権力と在地社会との対立・「協力」関係を考察し、朝鮮社会と共有できる政治文化を創出しようとした総督府の政策と、それへの朝鮮社会の動向をあわせてみていく。
平成24年度は、過年度から引き続き、朝鮮の身分解放運動である衡平運動をめぐる民衆の暴力事件について個別具体的な事件の調査を行った。同運動への民衆の暴力事件は、伝統的差別と知識人の民衆への啓蒙的眼差し、そして植民地権力の対応とのせめぎ合いを端的に表すものであり、そうした分断的様相こそが植民地統治構造の一端を指し示すものだと考えるからである。本年度は、過年度の調査を踏まえ、そうした身分解放運動の朝鮮内での位置づけを明らかにするために1920年代の朝鮮内での言論状況をについて調査を進めた。特に知識人の民衆観に関する史料を焦点にしながら史料調査・収集を行った。こうした状況を踏まえ、個別具体的な事例として衡平運動を位置づけなおした。朝鮮において社会主義思想が受容されていく中で、知識人の民衆啓蒙運動がどのように展開され、民衆との関連性がどのように変質していくのかを解明することは、運動史的側面のみならず、朝鮮知識人の対民衆観、そして逆に民衆の知識人観をも明らかにするはずだからである。このように総督府権力、社会主義者、身分解放運動勢力が朝鮮民衆を挟撃する状況を解明することは、植民地権力のみならず、(国民としての)民族解放運動勢力からも排除されていった植民地支配における重層的な暴力構造を動態的に把握することにつながると考える。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Conflicting Ideas on the "Annexation of Korea" in Japan

    • 著者名/発表者名
      小川原宏幸
    • 学会等名
      The Second Congress of the Asian Association of World Historians
    • 発表場所
      梨花女子大学校、大韓民国
  • [図書] 近代日朝関係史2012

    • 著者名/発表者名
      小川原宏幸
    • 総ページ数
      277-302,329-356
    • 出版者
      有志舎
  • [図書] ITO HIROBUMI NO KANKOKU HEIGOUKOUSOU TO CHOUSEN SHAKAI2012

    • 著者名/発表者名
      小川原宏幸
    • 総ページ数
      総478ページ
    • 出版者
      The Open Books Co.、大韓民国
  • [備考] 同志社大学研究者データベース

    • URL

      https://kenkyudb.doshisha.ac.jp/rd/html/japanese/researchersHtml/111024/111024_Researcher.html

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公開日: 2014-07-24  

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