• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

補色調和の美学と倫理:西欧モダニストの「均衡」言説と生活様式

研究課題

研究課題/領域番号 23820070
研究機関埼玉大学

研究代表者

加藤 有希子  埼玉大学, 教育企画室, 准教授 (20609151)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワード補色調和 / 均衡 / 新印象派 / 衛生 / 色彩療法
研究概要

本研究「補色調和の美学と倫理:西欧モダニストの「均衡」言説と生活様式」は19世紀後半から20世紀前半にかけて隆盛した西欧モダニズム画家が称揚した補色調和の美学を分析し、その美学が彼らの生活倫理、すなわち医療や衛生などの日常習慣をどのように規定していたかを明らかにしてきた。
平成23年度は主に単著『新印象派のプラグマティズム』(三元社2012)において、新印象派の画家たちがその色彩理論で核としていた「均衡equilibrium」の美学が、彼らの衛生習慣であるホメオパシー、色彩療法、水療法などの実践における行動倫理ともなっていたことを明らかにした。
平成24年度は新印象派のケーススタディで明らかになったこのような「均衡」の美学と倫理の協働を、他の同時代の画家たちの中に探ろうとした。しかしモダニスト画家に関しては、新印象派と関係が密であったアンリ・マティスの美学と生活倫理の協働を実証するにとどまり、その後は、19世紀末から勃興する色彩療法における「均衡」の倫理を明らかにすることに尽力した。
この研究は、次年度からの内定が決まっている「若手B」の研究:「色彩療法とニューエイジ:スピリチュアル・ブームの表象文化論的研究」に受けつかれる。これらの研究で明らかにしようとするのは、19世紀末から現代にいたる時代の「芸術と日常生活」との協働であり、アートワールドの議論に偏りがちな美学美術史研究に対して、芸術の枠組みを越え、日常生活の領域に浸透する、新たな感性学の領域を提示する。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Synopsis/Introduction: "Multi-Sensory Aesthetics and the Cultural Life of the Senses," or a Mission of Ars Vivendi2013

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Kato
    • 雑誌名

      Ars Vivendi Journal

      巻: vol. 3 ページ: 1-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Life of Color -- Color as Cross-Media-- John Ruskin and Afterwards2013

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Kato
    • 雑誌名

      Ars Vivendi Journal

      巻: vol. 3 ページ: 69-82

    • 査読あり
  • [学会発表] 美と健康の接近──フランス新印象派と<民間療法>

    • 著者名/発表者名
      加藤有希子
    • 学会等名
      埼玉大学教養学部招待講演
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 招待講演
  • [図書] 「キュビスムと色彩──もうひとつの物語」(『色彩からみる近代美術』)2013

    • 著者名/発表者名
      加藤有希子(前田富士男)
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      三元社

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi