本研究の目的は、日本の重電メーカーの技術革新メカニズムを解明することである。具体的には、東芝、日立製作所、三菱重工業の火力発電技術の開発に注目し、その先端技術開発のメカニズムを解明するものである。各社の研究開発部門、設計部門、製造部門を中心に現場調査ならびにインタビュー調査をおこった。そこから明らかになった各社の戦略の違いや、火力発電としての製品開発の範囲の違いが、経路依存的に現在の各社の技術革新メカニズムの違いとして、またその結果として、棲み分けに結び付いたことを明らかにした。この研究成果は、学術的には組織学会研究発表大会において口頭発表をおこなった。また東京大学ものづくり経営研究センターが開催する「ものづくり寄席」において、実務家向けにこの研究の口頭発表をおこなった。研究成果を、両分野で発表したことにより、双方向の視点で研究をまとめることが可能となった。また火力原子力発電技術協会のご協力により、電力メーカー、素材メーカーなど、重電メーカーだけではなく、関連する複数企業の現場調査やインタビュー調査が実施できたことは、この研究の目的を達成するために役に立った。特に複数の電力メーカーの現場調査やインタビューを通じて、日本の電力業界の産業構造や企業の特徴を把握することができた。重電メーカーの顧客である電力メーカーをしっかりと調査することができた。また重電メーカーを取り巻く素材メーカーの技術力の高さも日本の重電メーカーの技術革新、先端技術開発を可能としている点も明らかにすることができた。これらの研究を論文にまとめ、研究成果としたい。また海外重電メーカーとの比較を今後の研究課題としたい。
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