障害をもつアメリカ人法(ADA)における「合理的便宜」と、1964年公民権法第7編における「差別的効果(間接差別)」とは、差別の禁止とコスト上の負担との関係において、相対立する概念である。近年のアメリカにおいては、雇用差別禁止法の衰退が著しく、ADAに関しては判例の展開などの目立った動きがない。労働者は個別的労働関係紛争が生じた場合に、これを司法などの公的紛争処理機関に申立てると、義務的紛争事前解決条項(義務的仲裁条項)違反として即時解雇されるため、差別問題は公的には法律問題としては浮上しなくなっている。
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