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2012 年度 実績報告書

戦後日本における英米国際関係論の受容

研究課題

研究課題/領域番号 23830035
研究機関北海道教育大学

研究代表者

西村 邦行  北海道教育大学, 教育学部, 講師 (70612274)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワード日本の国際政治学 / 現実主義 / E・H・カー / ハンス・モーゲンソー / ハロルド・ニコルソン
研究概要

E・H・カーの受容に焦点を当てた前年度に続き、ハンス・モーゲンソーとハロルド・ニコルソンを検討の俎上に載せた。開始当初から問題となったのは資料の不足、具体的には彼らを取り上げた論稿の少なさであった。ただ、このことはかえって、前年度の知見を裏付ける結果となった。というのも、カーに関する検討で明らかになったのは、日本の知識人たちにとって、英米の国際関係論が輸入の対象ではなく共鳴の対象だったという点であり、モーゲンソーやニコルソンに関する論稿の少なさは、やはり英米の理論が偶像的に崇拝・摂取されたのでないことを示していると考えられるからである。この成果を受けて、資料調査では、日本の受容者の側へと視点を移し、その代表格と目された丸山眞男に焦点を当てた。具体的には、東京女子大学に所蔵されている丸山の蔵書や手稿を読み解き、本研究で対象とした理論家らの著作を彼がいかに読んでいたかを検討した。また、その読みが、丸山の学問的営為の中で占めた位置を明らかにするべく、丸山の日本思想史研究についても若干の検討を行った。以上の成果は昨年度から執筆していたカーの受容に関する論文を推敲する上で有用なものとなった。他方、モーゲンソーおよびニコルソンの受容に関しては、少なくとも現時点において、単体の論文としてまとめられる見込みはない。ただ、そうして論文として発表できる形でないまでも見えてきた彼らの受容に関する特徴は、前年のカー受容に関する研究の成果をさらに裏付ける形で、近代とどう向き合うかという問題が日本の受容者らの関心の中心となっていたことを示している。その点、日本の国際政治学の独自性を理解に向けて、その糸口を発見するという本研究の主目的自体は達成されたと言える。今後は、今回の成果をうけて、受容者たちの個別な検討をさらに進める中で、同じ問題の解明をさらに進めて行くこととしたい。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 技術・文明・国際社会―初期レナード・ウルフの評論から2012

    • 著者名/発表者名
      西村邦行
    • 雑誌名

      比較文明

      巻: 28 ページ: 63~81

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本の国際政治学における理論の〈輸入〉-E・H・カーの初期の受容から

    • 著者名/発表者名
      西村邦行
    • 学会等名
      駒場国際政治ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 国際ガバナンスと国際政治史

    • 著者名/発表者名
      西村邦行
    • 学会等名
      科研「国際ガバナンスにおける提携形成と制度設計の政治経済分析」研究会
    • 発表場所
      京都大学
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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