パーソナリティ特性と身体的・精神的・社会的健康に関する発達心理的研究

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 23830038
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 高橋 雄介 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 助教 (20615471)
• 研究期間 (年度): 2011-08-24 – 2013-03-31
• キーワード: パーソナリティ特性 / 身体的健康 / 精神的健康 / 社会的健康 / 予測的妥当性 / 縦断研究 / 潜在変化モデル / オンライン調査

研究概要

健康は老若男女問わず私たち人間にとって普遍的な問題であり，Nature 誌による「社会科学が取り組むべき10 の課題」の筆頭にも，健康の問題が掲げられている(Giles, 2011)。世界保健機関(WHO)の定義によると，健康とは，「身体的にも精神的にも社会的にも安寧な状態にある」ことを指す。
急速な勢いで進行する現代の超高齢化社会において，身体的な健康の維持および増進させるための個人的な要因として，何が必要とされるのか。近年，パーソナリティ特性は，問題行動や精神病理的な症状をはじめとする心理学的な変数以外にも，寿命や身体的な健康などの社会疫学的な変数に対しても有意な予測力を持つことが示されている(Robert et al., 2007; 高橋他, 2011)。
しかしながら，これまでに発達パーソナリティ心理学の見地から健康科学に対して提供されてきた知見にはいくつかの限界点が見受けられる。よって，それらのいくつかの限界点を乗り越えて，パーソナリティ特性と身体的・精神的・社会的健康の関連性の全体像を把握するための新たな知見の蓄積を開始した。
とりわけ，平成24年度においては，まず，パーソナリティ特性のひとつである勤勉性(conscientiousness)の「変化」が身体的な健康感の「変化」および健康に関連する行動の「変化」と関連することを潜在変化モデルを用いて明らかにし，Journal of Personality誌に採択された。また，パーソナリティ発達についての英語総説論文をJapanese Journal of Personality(パーソナリティ研究)誌に執筆，採択された。さらに，これ以外にも共同研究として3件の英語論文と1本の日本語論文が採択に至り，この成果を日本のデータで追試を試みた結果等を発表するなど国際学会発表2件，国内学会発表7件を行った。

現在までの達成度 (区分)

理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Two Cohort and Three Independent Anonymous Twin Projects at the Keio Twin Research Center (KoTReC) (2013)
  • 著者名/発表者名: Ando, J., Fujisawa, K. K., Shikishima, C., Hiraishi, K., Nozaki, M., Yamagata, S, Takahashi, Y., Ozaki, K., Suzuki, K., Deno, M., Sasaki, S., Toda, T., Kobayashi, K., Sugimoto, Y., Okada, M., Kijima, N., Ono, Y., Yoshimura, K., Kakihana, S., Maekawa, H.
  • 雑誌名: Twin Research and Human Genetics 巻: 16(1) ページ: 202-216
  • DOI: DOI:10.1017/thg.2012.131
• [雑誌論文] Bidirectional influences between maternal parenting and children’s peer problems: A longitudinal monozygotic twin difference study (2013)
  • 著者名/発表者名: Yamagata, S., Takahashi, Y., Ozaki, K., Fujisawa, K. K., Nonaka, K., & Ando, J.
  • 雑誌名: Developmental Science 巻: 16 ページ: 249-259
  • DOI: doi: 10.1111/desc.12021
  • 査読あり
• [雑誌論文] レポート評価におけるルーブリックの開発とその信頼性の検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 松下佳代，小野和宏，高橋雄介
  • 雑誌名: 大学教育学会誌 巻: . ページ: .
  • 査読あり
• [雑誌論文] Longitudinal correlated changes in conscientiousness, preventative health-related behaviors, and self-perceived physical health
  • 著者名/発表者名: Takahashi, Y., Edmonds, G. W., Jackson, J. J., & Roberts, B. W
  • 雑誌名: Journal of Personality
  • DOI: DOI:10.1111/jopy.12007
• [雑誌論文] Depression and interpersonal stress: The mediating role of emotion regulation
  • 著者名/発表者名: Moriya, J., & Takahashi, Y
  • 雑誌名: Motivation and Emotion
  • DOI: DOI:10.1007/s11031-012-9323-4
• [学会発表] VALUEルーブリックの意義と課題 ―規準とレベルの分析を通して― (2013)
  • 著者名/発表者名: 松下佳代，高橋雄介，坂本尚志，田川千尋，田口真奈
  • 学会等名: 第19回大学教育研究フォーラム
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 20130314-20130315
• [学会発表] パーソナリティ特性の変化は健康の変化とどのように関連するか (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋雄介，星野崇宏
  • 学会等名: 日本教育心理学会第54回大会
  • 発表場所: 琉球大学
  • 年月日: 20121123-20121125
• [学会発表] ウェブ調査法の可能性と限界 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋雄介
  • 学会等名: 日本心理学会第76回大会
  • 発表場所: 専修大学
  • 年月日: 20120911-20120913
• [学会発表] 就学前後期における不登校傾向への関連要因：保育士・教師とのコミュニケーションとの関連 (2012)
  • 著者名/発表者名: 出野美那子，山形伸二，藤澤啓子，鈴木国威，高橋雄介，安藤寿康
  • 学会等名: 日本心理学会第76回大会
  • 発表場所: 専修大学
  • 年月日: 20120911-20120913
• [学会発表] 親子はどのように相互に影響を与えるか─縦断的一卵性双生児差異法による純粋な因果効果の検討─ (2012)
  • 著者名/発表者名: 山形伸二，高橋雄介，尾崎幸謙，藤澤啓子，野中浩一，安藤寿康
  • 学会等名: 数理社会学会第54回大会
  • 発表場所: 関東学院大学
  • 年月日: 20120830-20120831
• [学会発表] Conscientiousness mediates the relation between perceived parental socialization of responsibility and self-rated health (2012)
  • 著者名/発表者名: Takahashi, Y., Roberts, B. W., & Hoshino, T.
  • 学会等名: 26th Conference of European Health Psychology Society
  • 発表場所: Prague, Czech Republic
  • 年月日: 20120821-20120825
• [学会発表] 大学学習法へのパフォーマンス評価の導入 (2012)
  • 著者名/発表者名: 小野和宏，井上誠，山村健介，西山秀昌，八木稔，ステガロユ・ロクサーナ，重谷佳見，前田健康，高橋雄介，松下佳代
  • 学会等名: 第31回日本歯科医学教育学会
  • 発表場所: 岡山コンベンションセンター
  • 年月日: 20120720-20120721
• [学会発表] Spousal similarity for personality traits and marital satisfaction (2012)
  • 著者名/発表者名: Takahashi, Y.
  • 学会等名: 16th European Conference on Personality
  • 発表場所: Trieste, Italy
  • 年月日: 20120710-20120714
• [学会発表] 一般化可能性理論を用いたパフォーマンス評価の信頼性の確認 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋雄介
  • 学会等名: 大学教育学会第34回大会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 20120526-20120527
• [図書] 測定・評価場面における信頼性と妥当性（生成する大学教育学，第5章コラム） (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋雄介
  • 総ページ数: .
  • 出版者: ナカニシヤ出版
• [図書] パーソナリティの遺伝子探し（パーソナリティ心理学概論―性格理解への扉―，第4章コラム） (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋雄介
  • 総ページ数: .
  • 出版者: ナカニシヤ出版
• [図書] 縦断データの分析I―変化についてのマルチレベルモデリング（菅原ますみ・監訳） (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋雄介
  • 総ページ数: .
  • 出版者: 朝倉書店