研究課題/領域番号 |
23830042
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
妹尾 剛好 和歌山大学, 経済学部, 講師 (60610201)
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キーワード | 会計学 / 管理会計 / 業績管理システム / バランスト・スコアカード |
研究概要 |
近年、バランスト・スコアカード(Balanced Scorecard;以下BSCと略)のように、財務指標と非財務指標を戦略と整合させるように組み合わせた、戦略的業績管理システム(Strategic Performance Measurement Systems;以下SPMSと略)の重要性が指摘されている。本研究の目的は、このSPMSのマネジャーの心理や行動に対する影響を実証的に明らかにすることである。 本研究では最終的に、1社または複数桂に対する、アンケートなどを用いた定量的フィールドリサーチという研究方法によって、SPMSのマネジャーの心理や行動に与える影響を実証的に明らかにすることを目的としている。本年度はその前提としてインタビューを中心とする定性的フィールドリサーチを実施し、プレサーベイは実施できなかったが、バランスト・スコアカードを利用しているいくつかの企業の事例に基づき、アンケートの質問項目の精緻化を進めることができた。 それだけではなく、過去に実施したインタビュー調査結果をまとめることにより、SPMSのマネジャーの心理や行動に与える影響は、トップマネジメントのリーダーシップにより左右される可能性が示唆された。その結果は下記研究発表の雑誌論文として公刊した。結論としては、トップマネジメントのBSC活用における過度な関与は、マネジャーの心理や行動に負の影響を与えることを示唆した。 この点について、SPMSを含む業績評価のスタイルとリーダーシップの関係について、新たな文献調査を行った。その結果は、下記研究発表の学会発表として報告した。結論として、前述の関係を分析するためのパスモデルを提示した。 以上のリーダーシップの影響についても、質問項目に追加することで、より精緻な研究フレームワークを構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定性的フィールドリサーチにより、質問項目を精緻化することができただけではなく、リーダーシップという新たな概念を研究フレームワークに取り入れることにより、当該フレームワークは当初の研究目的を達成するためにより効果的なものになっている。ただし、プレサーベイを実施できず、定量的フィールドリサーチを許可を得られていないことだけが問題である。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように、必ずしもアンケートなどの定量的フィールドリサーチを実施できない可能性があるということが問題点である。 ただし、精緻化した質問項目をインタビューのかたちで問う定性的フィールドリサーチだけでも十分に当初の研究目的は達成可能である。また、アンケートを実施せずとも、インタビューデータを統計分析する定量的フィールドリサーチも可能であり(Anderson and Widener,2007)、そのために定性データ分析用の統計ソフトを購入した。 今後はまず定性的フィールドリサーチの詳細性を高め、可能な限り定量的フィールドリサーチの実施を目指していく。
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