研究課題/領域番号 |
23830047
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
勝又 壮太郎 長崎大学, 経済学部, 准教授 (80613588)
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キーワード | 顧客関係管理 / 消費者行動研究 / ユーザーイノベーション / ネットワーク分析 |
研究概要 |
本研究は、顧客関係管理(Customer Relationship Management)について、その先進的事例を調査・分析し、国内外に広く発信していくことを目的としている。本年度は、とくに以下の三点について研究を遂行した。 第一は、新しい分析理論を用いた消費者行動モデルの精緻化である。顧客関係管理においては、工学・統計学において開発された手法を用いた多くの事例分析が提案されているが、近年では、手法開発だけでなく、消費者の内的側面に関する概念モデルの開発が求められている。そこで本研究では、消費者の情報処理理論をはじめとした選択に関する理論を活用して、新しい概念モデルを提示した。加えて、概念モデルを計量的に分析するための手法も開発し、事例分析によってその優位性を実証している。 第二は、ロイヤルティプログラムの新しい活用方法に関する研究である。日本では多くの企業が消費者向けポイントプログラムを実施しており、優良顧客の囲い込みや顧客の育成プログラムを実施しているが、近年では、新しい活用方法として企業間でのポイント交換が観察されるようになっている。そこで、本研究では、ポイント交換を既存の提携関係の理論と比較し、差異を検討している。とくに業界内の競争関係を考慮して分析を進め、理論をまとめている。 第三は、消費者個人の役割の多面性に関わる研究である。消費者は消費するだけの存在ではなく、消費以外の側面で産業に貢献する可能性を持っている。そこで、本研究では、コンテンツ産業を対象に、消費者の生産活動について調査を実施した。とくに、消費者の内的側面と生産という行動の関係を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本件度の研究について、学会発表や論文として部分的な成果を発表できているため。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ、研究進行上の問題は発生していない。来年度以降も引き続き研究を継続していく。
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