研究課題/領域番号 |
23830049
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
遠藤 宏美 宮崎大学, 教育文化学部, 助教 (30613848)
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キーワード | 小中一貫教育 / 学校文化 / 教員文化 |
研究概要 |
本研究は、小中一貫教育に取り組む学校において、既存の「小学校文化」と「中学校文化」とが誰にとって、どのように、小中一貫教育の実践にとって障壁となっているのか、そしてそれをどのように克服しようとしているのかを明らかにすることを目的としている。そのため、本年度は以下の3点を中心に研究をすすめた。 1.「小学校文化」と「中学校文化」の相違に関する理論的検討 「小学校文化」と「中学校文化」との相違に関して、主に教育課程、生徒指導等の点から検討した。加えて、義務教育段階における科学的リテラシーの育成に関する研究会に参加し、それぞれの学校文化の違いが児童・生徒にもたらす影響に関して示唆を得た。 2.小中一貫教育の実践の観察および資料収集 小中一貫教育に取り組む学校や教師が直面する、「小学校文化」と「中学校文化」の相克を明らかにするために、施設一体型、併設型、連携型それぞれの小中一貫校において、授業場面や学校行事を参観したり、職員会議の参与観察を行ったりした。また、各学校に関する基礎資料を収集するとともに、平成23年度に開校した施設一体型小中一貫校については、開校に向けて行った協議に関する資料を収集することができた。 3.小学校部分と中学校部分とをつなぐ役割を担っているキーパーソンへの聴き取り調査 今年度は学校長や教頭、主幹教諭のぼか、小学校と中学校との間で乗り入れ授業を行っている教諭や施設一体型小中一貫校において児童・生徒の両者に関わりを持つ養護教諭や栄養職員などに対する聴き取り調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主なフィールドを、当初予定していた学校とは異なる学校に変更することになったが、当該学校および管轄する教育委員会の協力・支援を得、教職員とのラポールも形成された。「小学校文化」と「中学校文化」の相違に関する理論的検討に関して、若干の遅れが見られるが、その他の点ではおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度実施した、小中一貫校におけるさまざまな場面についての参与観察を継続し、さらに深めながら行うとともに、対象校の幅を広げ、データを補足する。また、教職員や教育委員会指導主事らに対する聴き取り調査を計画的に行う。
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