本研究は市町村において導入が進められている少人数学級政策に焦点を当て、特に福岡県下市町村の実施状況から教育分野における分権改革の影響を明らかにするものである。この研究の成果として、1福岡県では県教育委員会からの市町村独自の少人数学級政策に対する関与は弱く、市町村の自主性に委ねており、これに従い 16 市町村が独自に教員雇用や学級編制基準に関する条例等を定めていること、2少人数学級政策の導入自治体(16市町)は、非導入自治体(44 市町村)と比較し財政力が高いわけではなく、統計的にその差はないこと、3財政力の低い自治体の政策導入は、全国学力テストによって判明した低学力の課題とその解決を目指す首長による主導が影響していることが判明した。
|