研究課題/領域番号 |
23830066
|
研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
田村 にしき 東京福祉大学, 教育学部, 助教 (50613494)
|
キーワード | 音楽科教育 / 能 / 謡(うたい) / 伝統音楽 / 郷土の音楽 / 伝統的な歌唱 / 地域学習 |
研究概要 |
本研究は、地域の伝承者や子どもの謡の学びのプロセスによって見出された教育的意義を生かした謡の教材研究及び教授方法を検証し、地域の伝承者・実演家・教師の協働による謡の学習プログラムを作り、検証授業を行うことを目的としている。 この目的を達成するため、当該年度は次のような次のような研究を行った。 (1)学びのプロセスにみる教育的意義の解明 第1に、宮城県北部の新田ノ目春藤流保存会「鉢の木会」の会員を対象に、稽古の方法や、熟達していく過程での変化について聞き取り調査を行い、個の追求と学び合いによる「自己変容」の過程について論文にまとめた。 第2に、教育活動の経験が豊富な能楽師である安田登氏に、謡の発声、呼吸法、身体の使い方、教材の選定法等の聞き取り調査を行った。 (2)(1)を踏まえた学習プログラムの開発 第1に、(1)で見出された教育的効果や教材の選定に基づいて、新田ノ目春藤流保存会「鉢の木会」の会員、能楽師の安田登氏、宮城県福室小学校教員の藤原若菜氏と共に、宮城県の小学校で謡を教える授業計画と方法を話し合った。 第2に、第1でできたモデルを基にして、他の地域でも応用できる謡の学習プログラムを、能楽師の安田登氏と共に開発した。 (3)教員養成大学における実演家と協働した検証授業 申請者の勤務校である東京福祉大学の「音楽科指導法」の授業で、能楽師の安田登氏と協働して謡の授業を行い、鑑賞活動や表現の活動を通して、能や謡の学習について検証授業を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度に計画していた(1)謡の学びのプロセスにみる教育的意義に関するまとめ作業、(2)(1)を踏まえた学習プログラムの開発を計画通りに行うことができ、検証授業先の小学校の決定まで行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
当該年度の研究成果を踏まえ、次年度には、地域の小学校と教員養成大学での謡の検証授業を行う。 特に、当該年度で開発した学習プログラムを検証授業で実現しやすくするために、能楽師、地域の伝承者、小学校教員の他、申請者が担当するゼミの学生とも協力し、小学生がグループで表現活動をしやすい環境づくりを工夫する。
|