「組織内の情報伝達に関する研究」では科研費の支援を受けて,質問票調査を2回実施した.特に,企業内部で部下が上司に重要な情報を伝達する際に,その促進及び阻害要因となるのは何なのかについて,かなり踏み込んだアンケート調査を行った. 調査結果からは,ポジティブな情報の伝達程度は上司の受容態度に大きな影響を受ける一方で,ネガティブな情報については,上司の態度いかんにかかわらず,100%伝達するという回答者が一定数いることが分かった.これは,従来の「組織の沈黙」研究の知見からはかなり異なる調査結果であり,ネガティブな情報のみを100%伝える回答者の背景にあるのは何なのかについて,現在分析結果の最終的な取りまとめを行っている.
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