本研究では、スウェーデン国立公文書館の一次資料などを利用して、スウェーデンの財政調整制度の形成過程を検討した。税平衡交付金制度の導入の主な目的は、自治体間の課税ベースの不均等の軽減にあった。この制度は、1966 年に導入された。しかし、地方自治体の財政需要に基づいて交付金額を変動させる仕組みを、税平衡交付金制度は持っていなかった。 税平衡交付金制度は、80 年代に改正されることとなった。改正の背景には、政府が対処しなければならなかった 2 つの問題が存在していた。まず、政府は、財政再建の実施をする必要があった。第2 に、政府は自治体間の税率格差の問題に対処しなければならなかった。1980 年代の改革の背景には、以上の要因が存在していた。
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