研究課題/領域番号 |
23830078
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
辻 泰代 東洋大学, ライフデザイン学部, 助教 (20611388)
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キーワード | 認知症高齢者 / 入居前アセスメント / 入居時ケア / グループホーム / その人らしさ / 本人の参加 / 入居支援 / リロケーションダメージ |
研究概要 |
【研究目的】本研究は、環境の変化による不適応状態(リロケーションダメージ)を起こしやすい認知症高齢者が、入居後もその人らしい生活を送るためには、グループホーム入居前にどのような情報をアセスメントし、どのように入居時ケアに繋げるとよいのか、その方向性を探る研究である。特に今年度は、認知症高齢者を介護する介護職員側からみて必要と考えられるグループホーム入居支援を明らかにすることを目的とした。 【研究方法】半構造化面接法によるヒアリング調査(個室での個別ヒアリング調査)を実施した。対象者は、8ヶ所のグループホームのホーム長8名と介護職員15名の計23名である。分析については、ICレコーダーで録音したデータから逐語録を作成した後、定性的コーディングを行い、概念的カテゴリーを見出した。その後、認知症ケア専門士2名にエキスパートレビューを依頼し、筆者の分析結果が妥当との評価を得た。 【結果】本調査では、これまでの先行研究でほとんど明らかにされていなかった、グループホーム入居申込みから入居前面接を経て入居に至るまでの具体的なプロセスについて明らかにすることが出来た。その中で、入居当事者である本人が入居前にほとんど見学しておらず、家族のみで見学し入居に至る事例が多いという実態が明らかになった。また、入居前アセスメントの現状と課題、入居前アセスメントの入居時ケアへの活用方法についても事例を聞き取ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、5ヶ所以上のグループホームにおいて、ホーム長と介護職員10名以上からヒアリングを行う予定であったが、8ヶ所のグループホームにおいて計23名からすでにヒアリングデータを得ているため。また、さらに1ヶ所のグループホームでホーム長と介護職員計3名からヒアリングを行う予定をしているため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、認知症高齢者本人を対象にしたヒアリング調査を実施予定であるが、調査期間中に新たに入居した1人からヒアリングデータを得ている。また、当初計画していなかった入居者の家族1人からもヒアリングを行うことが出来た。別のグループホームにおいても、新たに入居した本人とその家族からヒアリング調査の内諾を得ている現状があるため、来年度も計画通りに順調に調査を実施出来る見込みである。
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