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2011 年度 実績報告書

ヴィジランスの低下を阻止する手法としての脱馴化法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23830084
研究機関立正大学

研究代表者

有賀 敦紀  立正大学, 心理学部, 講師 (20609565)

キーワードヴィジランス / 持続的注意 / 脱馴化
研究概要

我々は日常生活において,車の運転など数時間以上連続する認知課題を行うことが多い。じかし実際,そのような場面での課題遂行成績は,時間経過に伴って低下する(ヴィジランスの低下)。現段階で,ヴィジランスの低下は不可避な現象とされているが,私はヴィジランスの低下は阻止することが可能な現象として再考されるべきであると考えた。本研究課題では,「ヴィジランスの低下は認知システムの馴化によって生じる」という新たな仮説を立て,(1)ヴィジランスの低下を阻止する手法を基礎的実験において確立し,(2)得られた知見を応用的場面(特に車の運転場面)へ展開することを目指した。
本年度は,ヴィジランス課題と記憶課題を組み合わせた実験を行った。具体的には,被験者がヴィジランス課題中に課題切り替え(記憶課題)を行うという実験を行った。その結果,ヴィジランス課題中に課題切り替えを行った被験者は,ヴィジランスの低下を示さなかった。したがって,課題切り替えがヴィジランスの低下を阻止するための有効な手段であることが示された(脱馴化法)。この成果はヴィジランスの課題における脱馴化法として,国際誌に発表された。
本研究課題において今後,脱馴化法の妥当性が明らかにされれば,ヴィジランスの低下は回避可能な現象となる。そして,脱馴化法は,長時間の認知作業を必要とするさまざまな場面(車の運転など)で,行為者のパフォーマンスを維持するための有効な手段になることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験において予測通りの結果が得られ,申請書に記載した年次計画通りに研究が進んでいるため。

今後の研究の推進方策

研究が順調に進んでいることから,当初の予定通り,「ヴィジランスの低下を阻止する手法としての脱馴化法の検討」の第二段階として,1年目で得られた知見をさらに発展させ,応用的場面に展開する。具体的には,ヴィジランス課題中に快・不快画像を呈示することで,1年目で調べられた「脱馴化法」の応用可能性を検討する。また,車の運転場面を想定した実験を行うことで,より現実に即した検討も行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文]2011

    • 著者名/発表者名
      Ariga Atsunori, Kawahara Jun-ichiro, Watanabe Katsumi
    • 雑誌名

      Visual Cognition

      巻: 19 ページ: 553-584

    • DOI

      DOI:10.1080/13506285.2011.574099

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Brief and rare mental "breaks" keep you focused : Deactivation and reactivation of task goals preempt vigilance decrements2011

    • 著者名/発表者名
      Atsunori Ariga
    • 雑誌名

      Cognition

      巻: 118 ページ: 439-443

    • DOI

      10.1016/j.cognition.2010.12.007

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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