本研究では、境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder : BPD)傾向者を対象に、「見捨てられスキーマ(見捨てられることに関する考え方の枠組み)」の変容を促す2ヶ月の長期的介入実験を行った。 介入実験の結果、見捨てられスキーマの変容を焦点とした群では、スキーマをターゲットとしないCBT(Cogtnitive Behavior Therapy)群およびWL(Waiting-List)群よりも有意に見捨てられスキーマ得点とBPDに特徴的な行動(不安定な対人関係、衝動的な行動など)得点が減少した。よって、見捨てられスキーマの変容を促す介入は、BPDの徴候の改善に効果があることが示された。
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