財務諸表監査における不正について、不正検査、法廷会計等の考え方を参考に検討を行った。現在、不正を理解するためのモデルとして、監査基準等では不正のトライアングルの理論が採用されている。しかし、近年では不正のトライアングルを修正した考え方が提唱されており、同モデルでは捉えることが出来ない犯罪者の存在も指摘されていることから、新たな不正リスクモデルの検討が必要であると思われる。また、近年のわが国の監査環境を踏まえた場合、不正検査や法廷会計への理解を深めるとともに、不正対策の専門資格の開発が必要であると思われる。
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