○研究実施計画 平成23年度の研究実施計画に照らした実際は以下のとおりである。 1、貧困概念の整理 2、文献調査 貧困及び保育実践に関連する文献の収集を行った。また、各地の子どもの貧困に関するセミナー・講演会(保育問題に限らない)に参加し資料収集を行った。こうしたセミナーでは、貧困におかれた当事者やこれを支援する専門職の話をじかに聞くことができた(なかなか聞けるものではない)。また、フィンランドやイギリスの支援者や学識経験者による講演も、本研究を国際比較する上で貴重な機会となった。 こうした研究を通して、本研究の目的のひとつである「保育所における子どもの貧困問題を抽出して構造化」について、格差問題や虐待問題との相違点など具体的なイメージをつかむことができた。 3、次年度の調査に向けたサンプリング調査 まずは、サンプリング調査を実施するために、(1)、先行研究をふまえた調査設計書を作成し、(2)、研究協力者との打ち合わせを行った。また、調査対象地の行政及び民間組織の役職者宛に調査依頼の私信を送った(正式な調査依頼は後日訪問して行う)。「研究の目的」には、「保育所における子どもの貧困問題、換言すれば『保育問題における貧困問題』ないし『保育問題のなかの貧困問題』を調査によって明らかにする」としたが、直接調査票でこれを問うことは困難である。そのため、「育児困難」をキーワードにしながら調査設計し、結果として「保育問題における貧困問題」を明らかにすることにした。
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