本研究は、質的調査・各種二次資料を用いて、「心的概念(感情)」の法律相談過程において果たす役割について理論的・経験的に明らかにし、以て、臨床心理学的手法を取り入れた法実践-とりわけ、リーガル・カウンセリング(以下、LC)-のインパクトを実証的に検証しようとするものである。具体的には、法の臨床心理学化の影響化の下で、LCの概念自体が弁護士・司法書士の実践的関心と連動しつつ変容・多義化していること、こうした拡散が、法的助言の実質的内容に影響を与える以前に、法的行為の進め方(手続的関与)に影響を与えていることが明らかとなった。
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