研究課題
本研究の目的は,太陽系進化を明らかにする上で重要となる消滅核種を用いた初期太陽系年代決定法を確立することである.消滅核種を用いた初期太陽系年代決定法を確立するためには,太陽系初期に形成された隕石物質について,ウラン-鉛年代測定により絶対年代を決定すると共に,消滅核種を用いた相対年代を決定し,相対年代測定法に絶対年代基準を与えることが必要となる.本年度では、前年度に高精度ニオブージルコニウム同位体比測定された分化隕石について、高精度ウランー鉛年代分析を行い、絶対年代を決定した。これらの結果は、2013年のLunar and Planetary Science Conferenceにて発表された。これらの結果から、ジルコニウム-92に壊変する消滅核種ニオブ-92を利用する相対年代測定法に絶対年代基準を与えることに成功した.今後は、このニオブージルコニウム同位体年代測定法を様々な隕石,特に鉄隕石に拡張することで、微惑星のコアーマントル分化への年代制約を与えることが可能となる。隕石試料についての研究を進めるのと同時に,アフリカの主要河川の川砂に含まれるジルコン試料についてもハフニウム同位体分析を行ってきた.そして,その結果からアフリカ大陸の進化について制約を与えた.この結果は,2012年の地質学会と2013年のEuropean Geophysical Union General Assemblyで報告され,さらに,国際学術雑誌Geochimica et Cosmochimica Actaに出版された.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Geochimica et Cosmochimica Acta
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