研究課題
絡み目ホモトピーとは絡み目のある同値関係である.絡み目ホモトピー類に対しては簡約結び目カンドルが定まる.しかしカンドルの同型性判定は一般に難しく,簡約結び目カンドル自身を絡み目ホモトピー類の分類に用いることは得策ではない.そこで前年度(本課題初年度)には,簡約結び目カンドルの表現と,これが誘導するホモロジー群の元を利用して,組み合わせ的に計算が可能であり,また比較が容易な数値型のホモトピー不変量を構成した.この成果をまとめた論文は,本年度に,学術誌「Journal of Knot Theory and Its Ramifications」への掲載が決定した.また,国内はもちろん,国外に向けても積極的にこの成果の報告を行った.簡約結び目カンドルの同型性判定は難しいが,一方で,構成した数値型不変量の能力を評価するためには,簡約結び目カンドルの分類能力を知っておく必要がある.本年度はこのことに焦点を絞り,研究を進めた.まず代数的な議論により,簡約結び目カンドルが同型であるという条件を幾何学的な条件に置き換えた.そしてこの幾何学的な条件から,簡約結び目カンドルの分類能力について研究を行った.残念ながら本年度の課題とした「簡約結び目カンドルは絡み目ホモトピー類を完全分類するだろう」という予想の肯定的・否定的な解決には至らなかったが,上記の研究により,なにが予想解決への本質であるのかを明確化することに成功した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Knot Theory and Its Ramifications
巻: 不明 ページ: 不明
京都大学数理解析研究所講究録 Representation spaces, twisted topological invariants and geometric structures of 3-manifolds