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2012 年度 実績報告書

分子の構造から探るタングステン安定同位体比の古海洋酸化還元の指標としての可能性

研究課題

研究課題/領域番号 23840058
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

柏原 輝彦  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, ポストドクトラル研究員 (70611515)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワードタングステン
研究概要

本研究の目的は、現在の酸化的海洋環境においてタングステンの濃度や同位体比に大きな影響を与える鉄マンガン酸化物への吸着反応に着目し、吸着の際にタングステンの同位体比が変動するかどうかを、そのメカニズムと共に、分子の構造と同位体比の両面から明らかにすることである。
本年度は、昨年度得られた分子の吸着構造の情報をもとに、タングステンの同位体比がどのように変動するのかを調べた。まず、鉄マンガン酸化物の主な構成成分である水酸化鉄とマンガン酸化物を実際に合成し、タングステンを吸着させた。その後、固相および液相それぞれについて、タングステンの同位体比をマルチコレクター型のICP-MSによって調べた。昨年度、タングステンは水酸化鉄とマンガン酸化物の両固相に対して、吸着の際に分子の構造変化を示すことを明らかにしたが、これに対応する形でタングステンは吸着の際に同位体比が変動することを明らかにした。これは、同族元素であり、古海洋の酸化還元の指標として広く用いられているモリブデンとは対称的であり、これまでに一切報告されてこなかった現象である。この結果に基づくと、化学的性質の似通ったモリブデンとタングステンは、海洋の酸化還元状態によっては、同位体的挙動が全く異なる可能性があることから、モリブデンとタングステンを合わせて分析することで、地質学的試料のもつ酸化還元状態に関する情報をより詳細に引き出せる可能性があることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Tungsten species in natural ferromanganese oxides related to its different behavior from molybdenum in oxic ocean2013

    • 著者名/発表者名
      T. Kashiwabara Y. Takahashi, T. uruga, H. Tanida, Y. Terada
    • 雑誌名

      Geochimica et Cosmochimica Acta

      巻: 106 ページ: 364-378

    • DOI

      DOI:10.1016/j.gca.2012.12.026

    • 査読あり
  • [学会発表] 鉄マンガン酸化物へのテルルの“異常濃集”の化学的要因

    • 著者名/発表者名
      柏原輝彦
    • 学会等名
      2012年度日本地球化学第59回会年会
    • 発表場所
      九州大学
  • [学会発表] XAFS法及び分子軌道法を用いたクロム酸・モリブデン酸・タングステン酸の鉄水酸化物に対する反応性の比較

    • 著者名/発表者名
      有賀大輔
    • 学会等名
      2012年度日本地球化学第59回会年会
    • 発表場所
      九州大学

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公開日: 2014-07-24  

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