研究課題
本年度は、まず昨年度の実験から得られた結果を元に、形状可変ミラーの再設計・試作を行った。寸法・設計を最適化した形状可変ミラーと、フィゾー型干渉計を用いたミラー形状のフィードバックシステムと組み合わせることにより、硬X線領域で回折限界集光を実現するために十分な、平均二乗誤差で10 nm以下の変形精度を実現した。並行して形状可変ミラー用の集光ユニットの開発も行い、板バネと精密アクチュエータを組み合わせた角度送り機構により、0.05 uradでの斜入射角の制御が可能であることを確認した。これらの作製した形状可変ミラーと集光ユニットを組み合わせ、SPring-8において放射光を用いての集光実験を実施した。深さの異なる三種類の非球面形状に形状可変ミラーを変形させ、それぞれ回折限界サイズの集光X線ビームを形成することに成功した。また、ビームタイム中に計測した焦点近傍の集光X線の強度分布の情報をもとに、昨年度開発した波面誤差算出計算を行い、実際に光学系に存在する収差を検出可能であることも確認した。また形状可変ミラーに意図的に形状誤差を与え、集光ビームの波面を制御することを試みた。その結果、形成された集光ビームには、事前に波動光学シミュレータで求めたものと同様の変化を計測することに成功した。このことから、本プロジェクトで開発した形状可変ミラーにより、波長以下の精度で集光X線の波面制御が行われていることを確認できた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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