研究課題/領域番号 |
23860003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石井 聡 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10612674)
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キーワード | 病原細菌 / 大腸菌0157 / フローサイトメトリ / 汚染源特定 |
研究概要 |
近年、大腸菌0157:H7やサルモネラなどの病原細菌が環境水に混入し、生鮮野菜などを通してヒトに感染するという事例が相次いで報告され、大きな社会問題となっている。これらの感染症を未然に防ぐためには、環境水中における病原細菌を検出・定量し、汚染源を早期に特定することで、病原細菌の水系への混入を除去する必要がある。しかしながら、低密度に存在する病原細菌を環境水サンプルから特異的に検出・定量する手法は、いまだ確立されていない。そこで本研究では、増殖能力のある病原細菌を特異的に検出・定量・分離する手法を開発し、さらに分離した病原細菌の由来(=汚染源)を特定することで、最終的に安全・安心できる水環境を構築することを目指した。平成23年度は、フローサイトメトリおよびセルソータを用いて、大腸菌Ol57を特異的に検出・定量・分離する手法を開発した。分離後の細胞は培地で増殖させたのち0157であることを確認した。さらに大腸菌Ol57を接種した環境水サンプルからも病原体を検出できることを確認した。今後は非接種の環境水サンプルから病原体を検出・分離し、汚染源の特定につなげていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画において予定されていた2課題(「病原細菌の特異的検出・定量法の確立」および「病原細菌の特異的単離・培養」)がほぼ完了したことから、順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は当初計画どおり、「病原細菌のDNAフィンガープリンティング」および「環境水中の病原細菌汚染の原因特定への応用」を進めて行く。病原体に汚染された環境水サンプルを採取するため、当初計画よりもサンプリングを頻繁に行う。
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