研究課題/領域番号 |
23860023
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
元井 直樹 横浜国立大学, 工学研究院, 研究教員 (10611270)
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キーワード | モーションコントロール / ハプティクス / バイラテラル制御 / 遠隔・自律融合 / 人支援システム / 環境適応 / 電気機器工学 / 制御工学 |
研究概要 |
本研究は複雑かつ複数のタスクを実現可能にする遠隔・自律融合人支援システムを開発・研究することを目的としており、平成23年度では主に次のような研究実績を得た。 1.ロボットシステムによる既知の道具を用いた複雑なタスクの運動制御技術の開発を行った。従来までの研究において、高精度な位置と力のハイブリッド制御手法が確立している。そこで本研究ではシステムと道具との幾何学的関係を考慮し、従来のハイブリッド制御を拡張することにより道具を用いたタスクを実現する運動制御技術手法を提案した。また提案手法に対する検証実験を実施し、有効性を確認した。 2.未知の道具に対しても1.で示した運動制御手法を適応するために、外界/内界センサを用いたシステムと道具との幾何学関係推定(道具パラメータ抽出)手法を提案した。提案した幾何学関係推定手法を実時間制御に適応することにより、システムと道具の関係が動的に変化する場合においても、道具を用いたタスクを実現できる。また提案した幾何学関係推定手法を用いて検証実験を実施し、有効性を確認した。 3.遠隔・自律融合システムの基盤となる階層化制御器理論として自律動作による「環境認識・適応」および遠隔操作による「タスク実現」を両立する運動制御手法を提案した。結果、接触環境への自律適応機能を有する異自由度・異構造バイラテラル制御を開発した。また、異自由度・異構造のマスタ・スレーブシステムに提案手法を実装し、検証実験を行うことにより、提案手法の有効性を確認した。 平成24年度では、これらの研究成果を国内/国際会議において発表し、社会に対しての成果還元を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の平成23年度研究計画の通り、1)既知の道具を用いたタスクの運動制御技術開発、2)外界/内界センサによる道具のパラメータ抽出、3)異構造・異自由度バイラテラルシステムにおける階層化制御器設計理論の確立の3点の開発を実施し、それぞれの提案手法に対する検証実験により有効性を確認した。従って、本研究は申請書記載の研究計画通りに順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度も申請書の計画通り、本研究課題を推進していく予定である。具体的には、1)道具の動力学を考慮した運動制御技術開発、2)異構造・異自由度バイラテラルシステムにおける道具を用いたタスク制御技術開発、3)制御器の動的再構成システムの開発・実装の3点の実現を目指す。さらに平成24年度末には各々の提案手法を統合し、実証実験を実施する予定である。 また本研究課題で得た知見・提案された各々の手法は国内/国際会議における発表、学術論文誌への投稿を実施し、広く社会に対して本研究成果の還元を行う予定である。
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