本研究では、定置型水素貯蔵に向けた Mg 系材料の開発を行った。異なる方法で合成したナノ構造 MgH_2-Mg 系化合物の水素貯蔵性について実験を行い、水素放出エンタルピー及びエントロピーは 5-300 ナノメートル以内のナノサイズでは変化しない一方、粒子サイズの減少による反応速度の劇的な改善があった。 前述の Mg 系ナノ構造材料とマイクロメータスケール材料における熱伝導性を比較すると、ボールミル試料及びナノ構造試料はマイクロメータスケール試料よりも良好な反応速度が認められたが、熱伝導性は電子/フォノンの散乱のための界面や粒界の増加により低下したことが分かる。このジレンマの解決が今後の研究課題である。
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