研究課題
本研究の目的は,提案するパラメトリック振子によるエネルギー・スキャベンジング方式が実際の波動に適用できるかどうか,という研究課題に対して,その力学的なメカニズムに焦点を絞り波動を模擬した実験装置で検証することで,エネルギー変換に適した条件を解明し,海上での実地試験に向けた予備実験を完了することである.本年度の研究実施計画は主に,実際の波動データを基に生成した励振に対して,機械振子の回転運動が継続可能な振子の質量や長さ等のパラメータを解明し,実地試験用フロート機械振子装置の設計指針に繋げることであった.まず波動データの解析を行った.昨年度取得した波動データを解析し,その主要な成分を求めた.取得した波動データでは時刻により波形が変動するため,パラメトリック振子の回転運動に適していると考えられる時間帯のデータを抽出した.以後,その主要な周波数成分から構成した複数周波数励振を波動とみなすことで数値計算並びに実験の遂行を可能にした.次に数値的検討を行った.得られた複数周波数励振に対して,パラメトリック振子の回転運動が維持可能となる振子の仕様パラメータを数値的に明らかにした.ここでは,数理モデルを整理することで変化させるパラメータを振子の質量と長さから励振の振幅と周波数に変換し,詳細な数値的検討を行った.続いて実験的検討を実施した.実験には様々な制約があるため,数値計算結果においてスケーリングすることで実験的に検証可能な場合にその対象を限定して検証を行った.実際の波動データの解析結果に基づいて得られた本年度の研究成果は,今後実施予定である実地試験用フロート機械振子装置を設計する上で重要な指針を与え,提案する波動発電方式の実用可能性を明らかにすることに繋がる.この意味で本年度に得られた研究成果は重要である.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E96-A ページ: 591-599