アナログ、デジタル信号混在の具体化として、大学人工衛星の地球局にハイブリッドRoFシステムを導入することをデモンストレーション事例としてモデル設定した。 デジタル信号を比較的低い周波数の光副搬送波に重畳し、周波数13GHzのアナログ・ダウンリンク信号をそのまま13GHzの光副搬送波に重畳するモデルを提案した。帯域が複数であり、種類が複数(アナログ、デジタル)である信号を同時に重畳し、互いに干渉しない方法として、半導体光変調器(EAM)内蔵DFB-LDを採用する構成を提案した。すなわち、デジタル信号にてDFB-LDの直接強度変調を行い、アナログ信号にてEAMの外部強度変調を行った。 シミュレーションによって、2種類の信号をRoFシステムで伝送することが可能であることを示した。研究協力者から本研究用のために、特に高周波ポートが13GHz帯に最適化されたEAM内蔵DFB-LDの提供受け、部分的な実験デモンストレーションを行った。実験結果はシミュレーション結果と一致した。また、伝送効率の向上とスプリアスの低減のためには、2種の信号の変調度の設定が重要であることなどが分かった。 最後に、デモンストレーションシステムを鹿児島大学内に設置された地球局内に常設した。現在、和歌山大学/東北大学の人工衛星RAIKOの定常観測に提供されている。常設かつ実用のRoFシステムの運用によって、設計性能および信頼性が実験的に確認された。 この他、今後の地球局性能向上を目的として、波長分割多重技術を併用することも提案しモデル化した。
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