研究課題
大型ヘリカル装置LHDにおいて、計240チャンネルの静電プローブ電極を新たに設置・整備することで広域的な計測を大きく進展させた。設置位置はトロイダル方向全10セクション中の6セクション、計12枚の"閉構造化されたダイバータ板"上であり、イオン飽和電流揺動の同時計測を行った。特に重要な成果として、共鳴摂動磁場を印加することで安定維持される非接触ダイバータ運転時において、イオン飽和電流(∝ダイバータ粒子束)の平均値および揺動伝搬特性にトロイダル異方性があることが確認された。これまでの研究で非接触ダイバータ状態時にはプライベート方向に伝搬する顕著なスパイク的揺動のみが観測されていたが、今回初めてプライベート方向と逆向きに揺動が伝搬する地点の存在も確認された。このようなトロイダル異方性は、共鳴摂動磁場印加により生成されるn/m=1/1(n:トロイダルモード数、m:ポロイダルモード数)の磁気島構造と密接に関係していると考えられる。揺動伝搬の顕著なダイバータ板上では、非拡散的輸送に起因するとみられる粒子束の広域化も観測されている。元より3次元的で複雑な磁場配位を有するヘリカル装置であるが、周辺領域中の諸現象とその効果の同定には、広域的な多地点計測が極めて重要であることが本研究により再認識された。加えて、局所定量計測の進展を目指した多芯静電プローブヘッドを新規製作した。実機据付を行ったが、電気的な問題のために平成24年度の実験では使用できなかった。修繕して次年度以降に使用する。前年度の研究内容はPlasma and Fusion Research誌およびJournal of Nuclear Materials誌へ投稿し、ともに採録済みもしくは採録決定となっている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Journal of Nuclear Materials
巻: In press ページ: In press
10.1016/j.jnucmat.2013.01.117
Plasma and Fusion Research
巻: 7 ページ: 1402152
10.1585/pfr.7.1402152