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2011 年度 実績報告書

建物の熱的影響と気象条件による雪質の変化を考慮した屋根積雪多層熱収支モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23860065
研究機関地方独立行政法人北海道立総合研究機構

研究代表者

阿部 佑平  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 建築研究本部・北方建築総合研究所・居住科学部, 研究職員 (70614147)

キーワード建築環境・設備 / 屋根雪 / 屋根積雪多層熱収支モデル / 実測調査 / 数値解析
研究概要

平成23年大雪では、雪による死者が全国で131名に達するなど甚大な被害が生じ、屋根の雪下ろしや落雪など住宅の屋根雪による死者は全体の90%を占めた。また国内外では、大規模建築物における屋根雪事故が相次いでいる。建物の構造性能や除雪技術は年々向上しているにも係らず、このような甚大な被害が発生する要因として、屋根積雪性状(雪質・重量)が気象条件のみならず建物からの熱損失にも影響されるため、屋根雪の性状を詳しく推定することが困難であることが挙げられる。
本研究では、建物の熱的影響と気象条件により異なる屋根積雪を対象とし、雪質(密度・重量)の変化や積雪に係る物理的諸過程を数値モデルにより再現し、多様な建物性能と気象条件に適用可能な屋根積雪多層熱収支モデルの開発を目的としている。
平成23年度の実績は、以下の通りである。
1.気象分野と建築分野における既往の積雪モデルの整理
気象分野で主に地上の積雪を対象に検討されてきた積雪モデル(多層熱収支モデル)と建築分野において検討されてきた屋根融雪モデルについて、解析手法やモデルの特徴などを整理した。
2.モデル検証用データ収集のための屋根雪実測調査
旭川市と札幌市において屋根の断熱性能を3種類有する実験建物を製作し実測調査を行った他、旭川市と下川町に建設された実建物においても実測調査を行った。断熱性能、室内の設定温度及び気象条件の違いに着目して屋根積雪性状の分析を行い、これらが屋根積雪性状に与える影響ついて明らかにした。実測調査により得られたデータは、数値モデルの検証用データとして整備した。
3.屋根積雪多層熱収支モデルの開発
気象分野で検討されてきた多層熱収支モデルと建築分野において検討されてきた屋根融雪モデルを統合した数値モデルの検討を行った。数値モデルの開発は、引き続き次年度も行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度の研究実施計画を計画通り実施することができたため。

今後の研究の推進方策

数値モデルを開発するためには、実現象との対応を見極めながら重要となるパラメータを抽出するとともに、モデル係数のチューニング等を行う必要がある。そのため、平成23年度に整備した数値モデルの検証用データと数値解析の結果を照合し、モデル係数のチューニングを行うことで、数値モデルの精度向上を図りながら研究を推進する。また、効果的に研究を進めるために、屋根雪や気象分野と建築分野の積雪モデルに関する研究者と情報交換を密に行いながら研究を推進する。

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公開日: 2013-06-26  

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