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2011 年度 実績報告書

天然鉱山と都市鉱山の利用可能性に関する統合的評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23860075
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

畑山 博樹  独立行政法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 研究員 (30612733)

キーワード持続可能な社会 / 資源循環 / 環境システム / 産業エコロジー
研究概要

金属資源の総合的な利用可能性を示す新指標の導出に必要と考えられるデータの推計および整理をおこなった。天然鉱山に関しては、United States Geological Surveyの発表データから各金属の可採埋蔵量および確認埋蔵量を1980-2008年について整理した。天然鉱山の利用可能性を表す可採年数は、可採埋蔵量を天然資源の年間生産量で除することで導出される。しかしながら、可採埋蔵量は採算性に依存していることを考慮すると、現在資源として認識されているものの総量を示す確認埋蔵量を評価に用いることも有効であり、そのためのデータ収集を完了させた。都市鉱山に関しては、既往文献等を活用した推計によって10種程度の金属についてマテリアルフローを把握し、金属素材の社会中での使用蓄積量や廃棄量、リサイクル量を整理した。特に研究例が少ないアルミニウムのマテリアルフローについては、欧州、米国、日本、中国を対象に2050年までの長期的な推計をおこなった。推計ではハイブリッド自動車や電気自動車の導入を想定したシナリオの分析によって、新規技術の導入が都市鉱山における資源利用に及ぼす影響を解析した。
また、資源利用の持続性に対する都市鉱山の寄与を示す新指標を提案した。この指標では、使用蓄積量やリサイクル率、天然鉱山に対する都市鉱山の相対的な規模などが考慮されており、天然鉱山の利用可能性を示す可採年数と統合することで金属資源の利用可能性を総合的に示すことができる。さらに、この指標は金属ごとに異なる資源利用の状況(蓄積量、リサイクル率、天然鉱山と都市鉱山の大きさなど)を反映している。そのため、持続的な利用の障壁となっている要因の抽出と、それに対して有効な技術開発や資源循環システムの整備を個別の金属について検討可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

金属資源の利用可能性を総合的に示す指標について、その定義がかなり明確となってきている。指標の計算方法について検討の余地が残されてはいるものの、実際の利用可能性を評価する際に用いるデータの整理は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

研究計画の通り、引き続き研究を実施する。指標の開発を完了させ、すでに収集したデータを用いて利用可能性の評価をおこなうと同時に、その結果を口頭発表および誌上発表によって国内外に発信する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] アルミニウムの循環利用によるCO2排出削減効果の推計2012

    • 著者名/発表者名
      畑山博樹、醍醐市朗、松野泰也
    • 学会等名
      第7回日本LCA学会研究発表会
    • 発表場所
      東京理科大学野田キャンパス(千葉)
    • 年月日
      2012-03-07
  • [学会発表] Transition of the global aluminum cycle induced by the introduction of next generation vehicles2011

    • 著者名/発表者名
      H.Hatayama, I.Daigo, Y.Matsuno, Y.Adachi
    • 学会等名
      2011 International Conference of Industrial Ecology
    • 発表場所
      UC Berkeley (USA)
    • 年月日
      2011-06-07

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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