本研究では、金属の天然資源と再生資源の利用可能性を包括的に評価する手法を開発することで、金属資源の持続的な利用を検討する新たな枠組みの提案をおこなった。本研究によって、持続可能な資源利用に向けた様々な方策について、その有効性を定量的に示すことが可能となった。また、開発した手法を用いて、主要 7 金属を対象として、2000 年時点における主要金属の利用可能性を評価した。その結果、可採年数が同程度に短い銅、鉛、亜鉛、銀といった金属の中では、リサイクル促進によって持続性の向上の効果が大きく得られるのは鉛であることが明らかなった。本研究で提案した枠組みを動的に展開することで、それぞれの金属の持続的な利用に必要となる技術開発の対象や時期を推定し、長期的な資源利用戦略を検討することが可能である。
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