研究課題
ES(胚性幹)細胞やiPS(人工多能性幹)細胞は再生医療の切り札として大きく期待されている。しかしながらES 細胞が生体内のどの時期の細胞に由来するのか、またどのような過程を経てICM(内部細胞塊)の細胞がES 細胞になるのかなど、まだ解決されていない疑問は多い。本研究課題ではマウス初期胚からのES 細胞の樹立過程を、各種レポーターマウスを用いてライブセルイメージングすることで、ES 細胞の起源、ES 細胞の形成過程について明らかにすることを目的としている。本年度は前年度に引き続き、各種レポーターマウスの作製と、その検証を行った。昨年度は丹羽仁史博士より分与いただいたOct4-EGFPのノックインマウスの作製に成功したが、本年度は新たにDNAのメチル化状態をMBDプローブによって可視化したマウスを作製することに成功した。このレポーターを用いてイメージングしたところ、ES細胞とマウスの初期胚(ICMの細胞など)とでは、DNAのメチル化状態(主にヘテロクロマチンが可視化される)が大きく異なることが明らかとなった。より具体的には、ES細胞のヘテロクロマチンは細胞周期を通じて常に凝集していた(明瞭なfocusが確認された)のに対して、初期胚のそれは非常に動的に変化しており、時折ヘテロクロマチンのfocusが消えることが明らかとなった。今後は本研究課題で作製したレポーターマウス由来の胚を用いてES細胞の樹立過程のライブセルイメージング解析を行なっていく。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell Stem Cell
巻: 12 ページ: 368-382
10.1016/j.stem.2012.12.012.
Stem Cells
巻: 30 ページ: 1394-1404
doi:10.1002/stem.1119