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2011 年度 実績報告書

オルガネラノックダウン法を契機としたオルガネラ量補償機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23870020
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

柳谷 耕太  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特任助教 (70614775)

キーワード細胞生物学 / バイオテクノロジー / オルガネラ
研究概要

本研究では、オートファジーを利用したオルガネラノックダウン法を開発し、真核細胞に備わる未知のオルガネラ量補償機構の解析を目的とする。平成23年度においては、オルガネラノックダウン法の開発を行った。オートファジーを用いたオルガネラノックダウン法においては、特定のオルガネラに局在化するオートファジー受容体の作製が必須となる。本研究では、オートファジー受容体の候補としてp62を用いることにした。p62はサイトゾルに分布するタンパク質であることから、p62をオルガネラのオートファジー受容体として用いるためにはp62を目的のオルガネラ膜上に集積する必要がある。この目的を実現するために、本研究では人工的にヘテロ二量体を形成するシステムを利用した。まずはじめに、ヒト肝ガン由来細胞株HepG2細胞由来のcDNAライブラリーからp62をクローニングした。その後、一方のヘテロ二量体化ドメインであるDmrCドメインとの融合遺伝子DmrC-p62を作製した。さらに、これを簡便に可視化するために、単量体緑色蛍光タンパク質であるmEGFPを挿入したDmrC-mEGFP-p62を構築した。次に、各オルガネラにこのDmrC-mEGFP-p62をリクルートするp62受容体として、それぞれのオルガネラ膜に局在化するタンパク質ともう一方のヘテロ二量体化ドメインであるDmrAドメインを融合したタンパク質をコードする遺伝子を構築した。小胞体、ゴルジ体、ミトコンドリアに局在化するタンパク質としてSec61beta、Giantin、Monoamine Oxidase Aをヒト細胞由来のcDNAライブラリーからクローニングし、DmrAとの融合遺伝子を作製した・これらは可視化するために、mCherryを挿入してある。作製の完了したP62を各オルガネラに集積させるシステムを利用し、平成24年度にはオルガネラノックダウンを行い、オルガネラ量補償システムを解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

助成金が使用可能となったのが昨年の秋からであることを考慮すると、23年度の計画であるオルガネラノックダウンシステムの構築は完了しており、ほぼ予定通り進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

24年度はオルガネラノックダウン法が機能するか確認し、オルガネラ量補償機構が存在するのかを調べる。さらに、オルガネラ量補償機構を担う因子を探索する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 小胞体膜上で起こるスプライシングの洗練されたメカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      柳谷耕太, 河野憲二
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 29 ページ: 1772-1776

  • [雑誌論文] Reconstitution and characterization of the unconventional splicing of XBP1u mRNA in vitro2011

    • 著者名/発表者名
      Shinya, S., Kadokura, H., Imagawa, Y., Inoue, M., Yanagitani, K., Kohno, K.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Res

      巻: 39 ページ: 5245-5254

    • DOI

      10.1093/nar/gkr132

    • 査読あり
  • [学会発表] Ribosomal Stalling Promotes mRNA Splicing on the Endoplasmic Reticulum2011

    • 著者名/発表者名
      Kota Yanagitani, Yukiko Yokota, Yukio Kimata, Hiroshi Kadokura, Kenji Kohno
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜市(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-15
  • [学会発表] 哺乳動物細胞で機能する翻訳停止配列の開発と応用2011

    • 著者名/発表者名
      門井浩二、柳谷耕太、河野憲二
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2011-12-15
  • [学会発表] 小胞体膜上で起こるmRNAスプライシングにおける翻訳停止反応の役割2011

    • 著者名/発表者名
      柳谷耕太
    • 学会等名
      第63回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2011-06-27

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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