• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

植物の光環境適応によるATP制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23870033
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

得津 隆太郎  基礎生物学研究所, 環境光生物学研究部門, 特別協力研究員 (60613940)

キーワード色素体機能・光合成 / 環境応答 / バイオイメージング
研究概要

植物を含めた光合成生物は、光を利用し、光合成を行っている。自然界での光は、気象条件等に応じて刻々と強度・性質(波長)が変化するため、植物は様々な光環境に適応しなければならない。本研究では、植物が様々に変化する光環境下で行う『光環壌適応機構』と、植物自身に必要な『生体内エネルギー(ATP)の生産制御』との関連性の解明を目的とした。
特に、『ステート遷移』と呼ばれる光環境適応機構は、光合成における循環型電子伝達の制御に深く関与しており、この機構の駆動によりATP生産が促進されると考えられている。しかし、実際にステート遷移中にATP量の変化を測定した報告は無く、その相関性は明らかではない。本研究では、動物細胞中のATP量変化を可視化した技術(ATeam蛍光プローブのイメージング)を応用することで、植物生細胞中のATP量のリアルタイムイメージング技術を確立レ、光環境適応によるATP生産促進機構の解明を目指している。
本年度は、コドン最適化したATeamを作成し、緑藻クラミドモナスへ導入しようと試みたが、未だ細胞内での発現が確認できていない。しかし、コドン最適化ATeamに含まれるCFP及びYFP蛍光タンパク質それぞれの導入に成功したことから、導入コンストラクトの不備である可能性は除去された。今後、ATeam導入形質転換体の選抜を続行する予定である。
一方、前述したCFP及びYFPを発現したクラミドモナスを用い、蛍光顕微鏡観察を行った。結果、スペクトルフィルタを利用することで、クロロフィル自家蛍光との分離に成功し、蛍光タンパク質の詳細な局在を確認することができた。今後、ATeamを発現した変異株を用い、同様の蛍光観察法を適用することで、実際のATeamプローブの蛍光変化及び、光環境適応との相関を明らかにすることができると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、緑藻クラミドモナスへとATP濃度センサー蛍光プローブであるATeamの導入を試みたが、未だにATeamを発現した形質転換体は得られていない。しかし、一方でATeamに含まれるCFP及びYFP単体での発現形質転換体の選抜には成功している。この違いは、遺伝子の大きさによる導入効率の差に依存するものと考えている。今後、更に多くの形質転換体の選抜を行う必要があると考えられる。一方、単体の蛍光タンパク質を発現した形質転換体の蛍光顕微鏡観察の結果から、スペクトルフィルターを用いたクロロフィル自家蛍光の選択的除去が可能であることが分かったため、今後の蛍光顕微鏡観察の基盤が確立したと考えている。虚

今後の研究の推進方策

現在のところ、ATeamを発現したクラミドモナスの形質転換体は得られていない。しかし、導入遺伝子の設計(プロモーターの選択及びコドン最適化)に不備が無いことが確認できた。そこで、今後は、ホストであるクラミドモナスの種類を増やし、更に多くの形質転換体を選抜することでAteamを発現したクラミドモナスを単離する予定である。また、蛍光顕微鏡観察における、クロロフィル自家蛍光の選択的除去に成功したことから、次に、蛍光顕微鏡観察下での光環境適応誘導法の確立を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 緑藻のNPQに関与する光化学系超複合体の精製2012

    • 著者名/発表者名
      得津隆太郎、皆川純
    • 学会等名
      第53回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都府)
    • 年月日
      2012-03-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi