研究課題
植物を含めた光合成生物は、光を利用し、光合成を行っている。自然界での光は、気象条件等に応じて刻々と強度・性質が変化するため、植物は様々な光環境に適応しなければならない。本研究では、植物が様々に変化する光環境下で行う『光環境適応機構』と、植物自身に必要な『生体内エネルギー(ATP)の生産制御』との関連性の解明を目的とした。特に、『ステート遷移』と呼ばれる光環境適応機構は、光合成における循環型電子伝達の制御に深く関与しており、この機構の駆動によりATP生産が促進されると考えられている。しかし、実際にステート遷移中にATP量の変化を測定した報告は無く、その相関性は明らかではない。本研究では、動物細胞中のATP量変化を可視化した技術(ATeam蛍光プローブのイメージング)を応用することで、植物生細胞中のATP量のリアルタイムイメージング技術を確立し、光環境適応によるATP生産促進機構の解明を目指した。前年度に引き続き、ATeamの緑藻クラミドモナスへの導入を試みたところ、数万株におよぶ変異体選抜の末、細胞内でのATeam発現を有する変異体を獲得できた。この株を用い、前年度に行ったクロロフィル自家蛍光とATeam蛍光の分離を適用したところ、緑藻クラミドモナス内でATeamの機能的なFRETを確認することができた。また、周辺環境の変化に伴うFRETが観察されたたため、今後、このATeam株と光環境適応能の変異体を掛け合わせた多重変異体におけるリアルタイムイメージング解析の発展が期待できる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Plant Cell
巻: 25 ページ: 545-557
Journal of Biological Chemistry
巻: 287 ページ: 31574-31581
10.1074/jbc.M111.331991.
http://www.nibb.ac.jp/pressroom/news/2013/03/15.html
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