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2012 年度 実績報告書

植食性昆虫の寄主転換は寄生蜂の多様化に寄与するか:連続的種分化の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23870037
研究機関京都府立大学

研究代表者

大島 一正  京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (50466455)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワード種分化 / 寄主転換 / ホストレース / 植食性昆虫 / 遺伝的分化
研究概要

植食性昆虫の寄主転換が植食性昆虫の寄生者の多様化にも波及するかどうかを調べるため,鱗翅目ホソガ科のクルミホソガ Acrocercops transecta のホストレースの系をモデルとして研究を行った.クルミホソガは潜葉性の蛾類でであり,クルミ科の植物を寄主とする祖先的なクルミレースと,ツツジ科のネジキを寄主とするネジキレースからなる.本研究ではまず,両レースが同所的,異所的に分布する複数地点からクルミホソガのマイン(幼虫が葉に潜っている部分)を採集し,成虫まで飼育することでホストレース間の寄生率や寄生蜂の構成比率を比較した.その結果,2つのホストレース間では,寄生率には有意な差は見られなかったが,得られた寄生蜂種には,ホストレース間で明瞭な違いが見られた.クルミレースではコマユバチ科の寄生蜂が多数を占めたのに対し,ネジキレースではヒメコバチ科が多数を占めた.それだけでなく,オニグルミから採集したマインからはワタナベコマユバチ Aneurobracon philippinensis が,ノグルミから得られたマインからは Choeras 属の1種が主に得られ,同じクルミレース内でも寄主植物による寄生蜂種の明瞭な違いが見られた.そこで,このような寄生蜂種の違いをもたらす至近要因を調べるため,クルミホソガのマインを形成させたクルミ葉とネジキ葉を用いた寄生蜂の産卵選好性実験の手法の確立を試み,ワタナベコマユバチに関しては適切に実験系を確立した.さらに,ワタナベコマユバチに関してクルミレース,ネジキレースのそれぞれから得られたサンプルをミトコンドリアの COI 領域を用いて系統解析を行ったところ,両レースから得られたワタナベコマユバチは配列情報からは区別されなかった.以上の結果は,寄生蜂が寄主のホストレースを明瞭に区別して利用していることを示している.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Genetic mechanisms preventing the fusion of ecotypes even in the face of gene flow2011

    • 著者名/発表者名
      Ohshima I
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 2巻 ページ: 506

    • DOI

      DOI:10.1038/srep00506

    • 査読あり
  • [学会発表] クルミホソガ Acrocercops transecta (鱗翅目:ホソガ科) のホストレース間での寄生蜂相の比較2012

    • 著者名/発表者名
      河村友裕
    • 学会等名
      日本昆虫学会近畿支部2012年度大会
    • 発表場所
      兵庫県立人と自然の博物館
    • 年月日
      20121208-20121208
  • [学会発表] 寄生蜂は寄主側のホストレース分化にどのように応答するか:クルミホソガ寄生蜂 Aneurobracon philippinensis (コマユバチ科) の事例2012

    • 著者名/発表者名
      大島一正
    • 学会等名
      日本昆虫学会第72回大会
    • 発表場所
      玉川大学
    • 年月日
      20120917-20120917

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公開日: 2014-07-24  

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