研究概要 |
以下の 2 つの観点から解析を行った.まず,全反射顕微鏡を用いて VAN3-ARF-GAP と GNOM-ARF-GEF の細胞膜近傍における動態を詳細に解析した.VAN3 は素速く動く小さいドット状の局在様式を示し,一定の頻度でクラスリンと共局在することを見出した.一方 GNOM は,リング状の構造体およびクラスリン様のドット状構造に局在することを見出した.ドット状構造は,静止しており,クラスリンと高頻度で共局在することも明らかになった.また,リング状の構造体は原形質流動にのり移動していることも明らかになった.VAN3 と GNOM は一過的に共局在することから細胞膜近傍で協調的に機能することが示唆された. 続いて,GNOM の細胞内局在解析を行うために,抗 GNOM 抗体の作成を行った.GNOM 抗体を 4 種類作成したところ,1種類に関しては,ウエスタンブロットの結果,GNOM タンパクを特異的に認識することが明らかになった.またこの抗体を用いて免疫染色を行った所,細胞内にドット状の構造体を検出することに成功した.現在,免疫電子顕微鏡解析を行っており,GNOM が局在するリサイクリングエンドソームの実態解明に挑んでいる.
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