研究課題
シロイヌナズナのCLAVATA(CLV)3は分泌型の低分子ペプチドをコードしており、その遺伝子産物は茎頂分裂組織のサイズを決定する重要なシグナル伝達因子として機能すると考えられている。これまでにCLV3の受容機構や、シグナルに応答した遺伝子発現制御が明らかにされているものの、CLV3の受容後に引き起こされる細胞内のシグナリング経路に関しては、ごくわずかな知見しか得られていない。そこで、本研究ではCLV3の下流で機能する新規因子を同定し、その機能解析から細胞内シグナリングの分子機構を明らかにすることを目標として解析を行った。平成24年度は、新規CLV3ペプチド耐性変異体cli2について以下の解析を行った。1. CLI2変異体の発現パターンを明らかにするため、CLI1のアンチセンスプローブを用いたin situ hybridizationを行った。その結果、CLI2のmRNAは茎頂分裂組織の広い領域で検出された。2.cli2変異体におけるCLV3遺伝子の発現パターンを明らかにするため、CLV3のアンチセンスプローブを用いたin situ hybridizationを行った。その結果、cli2変異体では野生型に比べ、茎頂分裂組織の広い領域でCLV3が発現していることが明らかになった。このことから、cli2変異体の茎頂分裂組織では幹細胞のアイデンティティーをもつ細胞が増大していると考えられる。3.CLI2と相互作用する因子を単離するため、シロイヌナズナのcDNAライブラリーを用いたyeast two hybrid screeningを行った。その結果、CLI2タンパク質相互作用因子の有力な候補が1つ見つかった。Nicotiana benthamianaの葉における一過的発現系を用いた解析の結果、この候補タンパク質は細胞質と核に局在することが明らかとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Mol Plant Microbe Interact.
巻: 26 (1) ページ: 87-96
doi:10.1094/MPMI-05-12-0118-FI.