これまでに研究代表者らは、急性暑熱感作にともなう肉用鶏の骨格筋ミトコンドリアにおける活性酸素種(reactive oxygen species、ROS)の過剰産生は、膜電位上昇によってもたらされること、さらにこの上昇には鶏特異的脱共役タンパク質(avian uncoupling protein、avUCP)の発現低下にともなうプロトンリーク反応の低下が関与していることを明らかにしている。本研究では、先天的にavUCP発現が高い産卵鶏ならびにオリーブオイル+オレウロペイン給与によってavUCP発現を上昇させた肉用鶏を急性暑熱感作しても、これら鶏の骨格筋ではミトコンドリアROS過剰産生が抑制されることを実証し、avUCPが暑熱時の酸化ストレス発症抑制に重要な役割を果たすことを明らかにした。
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