研究概要 |
モモ亜属(Amygdalus subgenus)の植物96種に対して約9000ローカスのSNPsタイピングを行い,全ゲノムワイドな遺伝的構造解析を行った.現在の栽培モモ品種群は,野生品種とは明らかに異なる,歴史的な人為的選抜を受けた複数のクラスター群を形成する事が示唆された.クラスター間における多様性度の推移を比較することにより,各クラスターに特徴的なゲノム部分領域へのselective sweepを検出した.観賞用ハナモモ,および主要食用モモのクラスターにおいて,特定のゲノム領域に人為的選択圧が見られ,それぞれのクラスターの特徴と非常に関連性の考えられる遺伝子群が存在していた.これらの遺伝子は各モモ品種群の特徴を維持し,栽培化の原動力となった重要遺伝子であると考えられた.
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