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2011 年度 実績報告書

流れ藻の幼稚魚成育場機能の解明:画像・位置情報の連続取得による新アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 23880023
研究機関長崎大学

研究代表者

河端 雄毅  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 助教 (50606712)

キーワード魚類生態 / 流れ藻 / 回遊 / バイオロギング / 水産資源
研究概要

東シナ海に漂う流れ藻は、ブリ・マアジ・カンパチ等の水産重要魚種の幼期の成育場として機能していると考えられているが、その詳細は必ずしも明らかではない。幼期の生残および成長は、漁獲対象である成魚の資源量を決定する。そのため、流れ藻が幼稚魚に及ぼす効用を明らかにすることは、持続的な水産資源の利用を図る上で極めて重要な課題である。本研究の目的は、流れ藻魚類群集モニタリングシステムを構築し、幼稚魚の成育場機能を明らかにすることである。
流れ藻に幼稚魚が付随するシーズンが4月~7月と限られた時期であり、本助成の開始が10月であったため、2011年度は水槽内でモニタリングシステムのテストを行った。直径1.5m×1.5mの筏を作成し、それに、インターバルカメラ、イリジウム衛星送信機、電波発信機、水温データロガー並びに流れ藻を固定した。インターバルカメラにより1時間置きに自動的に流れ藻を撮影するように設定したところ1ヶ月以上の撮影が可能なことが明らかになった。また、インターバルカメラの画像から、魚類の密度と種構成を推定できることを確認した。インターバルカメラに魚眼レンズを取り付けたところ視野が広がり、東シナ海で頻繁に見られる直径1m程度の流れ藻直下を撮影可能なこと明らかになった。更に、研究計画で予定していたアルゴス衛星送信機よりも位置精度の高いGPS搭載イリジウム衛星送信機を使用することで、約半年にわたり、数メートルの誤差で流れ藻の位置をリアルタイムに知ることができることが分かった。今後、実海域にて、本システムを適用することにより、流れ藻の輸送経路、魚類群集、海洋環境データを同時に取得し、流れ藻の幼稚魚の成育場機能を明らかにすることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モニタリングシステムはほぼ完成しており、2012年5月~6月に実海域での実験を行う予定であるため。

今後の研究の推進方策

本年度は、昨年度に考案した流れ藻魚類群集モニタリングシステムの野外での実証実験を行う。また、研究協力者である中国廈門大学のKunshan Gao教授と調査の打ち合わせを行い、中国沖からのモニタリングの実施に向けて調整を行う。

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公開日: 2013-06-26  

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