研究課題
我が国の食料自給率を増やすためには、水田からの転換畑で深刻な問題となっている畑作物の耐湿性を向上が重要である。しかし、植物の耐湿性のメカニズムには未解明な部分が多く、その方策を立てることすら難しいのが現状である。本研究課題では、植物の耐湿性に深く関与しているRadial Oxygen Loss (ROL)バリアの形成に関わる遺伝子の単離と解析を目的に研究を推進した。イネは過湿ストレスによって誘導的にROLバリアを形成する。しかし、イネのスベリン変異体(reduced culm number1)では根のスベリン化が低下するだけでなく、ROLバリアの形成能力の低下がみられた。この結果はスベリンがROLバリアの形成に関与することを示唆している。しかし、ストレス状態が長期化すると、rcn1変異体はスベリン層を形成できないにも関わらず、ROLバリアを形成することができた。この結果は、ROLバリアの形成はスベリン化だけでは説明できないということを示唆している。これまで、ROLバリアの形成に関わる遺伝子は1つも同定されていなかった。本研究課題を通じて、部分的ではあるもののROLバリア形成に関わる遺伝子(RCN1)を初めて単離することができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant, Cell and Environment
巻: 39 ページ: 1618-1630
10.1111/j.1365-3040.2012.02513.x.
http://www.s.fpu.ac.jp/kankyo/JP/Home.html