二次壁は、セルロースミクロフィブリル(MF)の配向の違いにより3 層に区別される。MF の配向制御は、細胞骨格である表層微小管が密接に関与している。本研究 では、二次壁のMF 配向を制御する分子機構を明らかにするために、木部細胞において表層微小 管の細胞内挙動を明らかにすることを目的とした。微小管を蛍光タンパク質で標識したポプラ 形質転換体を作出した。形質転換体の葉、根、師部組織では、GFP 蛍光により表層微小管を観 察することができた。一方で、木部繊維細胞ではGFP 蛍光が著しく弱く、表層微小管の観察が 困難であった。今後、観察技術の高度化と遺伝子コンストラクトの改変が必要であると推察さ れた。
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