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2011 年度 実績報告書

季節予報を用いた作物収量変動の予測可能性と予測制約要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23880030
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

飯泉 仁之直  独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 任期付研究員 (60616613)

キーワード季節予報 / 作物統計収量 / NPP / NDVI / 日射量 / 飽差 / 収量変動予測
研究概要

平成23年度の主要な研究成果は以下の5点である。
(1)米国・中国・ブラジル・アルゼンチンのトウモロコシについて、各国の農務省または統計省を通じて州以下(例えば郡)の行政レベルで集計された統計収量データとGeographical Information System(GIS)で使用する行政界データを収集し、全球を等間隔に分割する格子点に割り付け、グリッドデータセットとして整備した。
(2)作物統計収量データが得られない国・地域についてリモートセンシングから得られる正規化差植生指数(NDVI)に基づく純一次生産量(NPP)と国連・食糧農業機関(FAO)の国レベルの作物収量統計データとを比較し、NPPが作物収量データの代替指標として使用できることを確認した。
(3)独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が提供する季節予報データを準観測データに相当する全球再解析気象データと比較し、0~11ヶ月のリードタイム別に予測された気温・降水量の予測スキルを評価した。
(4)作物収量変動に大きな影響を及ぼす日射量と飽差が季節予報からは直接的に得られないため、気温日較差から日射量と飽差を推定する経験式を適用し、日射量と飽差の推定精度を全球再解析データに基づいて評価した。また、検証した経験式を季節予報データの気温日較差に適用し、日射量と飽差の予報データを作成し、全球再解析との比較を通じてそれらの気候要素の予報スキルを評価した。
(5)気温・飽差・日射量のリードタイム0~11ヶ月での予報データを用いて生殖生長期間における気候要素の前年差分(ある年の気温の前年の気温に対する差)とNPPの前年差分との回帰分析を行い、収量変動の予測可能性がある地域と、線形回帰モデルの代わりに作物モデルを用いることで収量変動予測スキルの向上が見込まれる国・地域を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画ではH24年度に予定だった作物収量変動の予測可能性評価を、広域作物モデルの代わりに簡易な気候と作物の関係を記述する回帰モデルを用いて行った。この点では計画よりも進捗している。しかしながら、H23年度に行う予定だった広域作物モデルのキャリブレーションは、作物統計収量グリッドデータセットの整備状況に依存するため、当初予定よりは進捗がやや遅れている。したがって総合的にはおおむね順調に進捗している。

今後の研究の推進方策

H24年度は、作物統計収量グリッドデータセットおよび全球の灌漑水量・窒素投入量データの整備を完了し、大型計算機を用いた広域作物モデルのキャリブレーションを行う。H23年度に翻訳した季節予報データを広域作物モデルに適用して、より高度な手法で収量変動の予測可能性を評価する。その際、確率モデル(WG)を適用して、季節予報の翻訳に係る不確実性を併せて考慮する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Climate downscaling as a source of uncertainty in projecting local climate change impacts2012

    • 著者名/発表者名
      Iizumi, T., F. Uno, and M. Nishimori
    • 雑誌名

      Journal of the Meteorological Society of Japan

      巻: 90B ページ: 83-90

    • 査読あり
  • [学会発表] 広域作物モデルでの利用に向けた季節予報の翻訳2012

    • 著者名/発表者名
      飯泉仁之直・佐久間弘文・ミカエルAセメノフ
    • 学会等名
      日本農業気象学会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2012-03-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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