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2012 年度 実績報告書

変異細胞と正常上皮細胞の境界で起こる現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23890003
研究機関北海道大学

研究代表者

梶田 美穂子  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00607442)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワード上皮細胞 / 癌 / Src / filamin A / vimentin / zebrafish
研究概要

変異細胞が正常上皮細胞に囲まれた場合、ある種の変異細胞は正常細胞層の頭頂側へ押し出されるが、その分子メカニズムは不明であった。私は平成23年度までに、Src変異細胞に接している正常上皮細胞内で中間径フィラメントのvimentinとアクチン結合タンパク質のfilamin Aが変異細胞をはじき出す現象をポジティブに制御していることを発見した。この結果に基づいて24年度は1)filamin Aとvimentinの相互作用の解析、2)生体モデルを用いたfilamin A集積の検証、3)filamin Aの上流のシグナルの探索、の3つの点について研究を進めた。1)について、filamin A もしくはvimentinのノックダウン細胞株と変異細胞を混合して、ノックダウン細胞内におけるfilamin A もしくはvimentinの挙動を観察した。その結果、filamin Aノックダウン細胞内でのvimentin集積は有意に抑制されたのに対し、その逆は影響を受けなかった。つまりfilaminはvimentin集積の上流で作用していることが示唆された。2)変異細胞の周りの正常細胞におけるfilamin集積が個体レベルでも観察されるのか検証するため、zebrafish胚を用いた。その結果、押し出される前のv-Src細胞の周りにfilamin Aが集積しており、さらにzebrafish胚からfilamin Aをノックダウンするとv-Src発現細胞が頭頂側へ押し出される現象が顕著に抑えられた。3)様々なシグナルの阻害剤やドミナントネガティブ変異体を用いた結果、隣接する変異細胞内のmyosin活性が正常細胞内のfilamin集積を誘導することが分かった。以上の結果は、周りの正常細胞が積極的に変異細胞を頭頂側へ押し出すことを分子レベルで示した世界で初めての報告であり、現在論文のリバイス中である。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 正常上皮細胞と変異細胞間で生じる細胞競合~がん細胞をとりまく新たなheterogeneity~2013

    • 著者名/発表者名
      梶田美穂子、藤田恭之
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 31 ページ: 39-44

  • [雑誌論文] Interactions between normal and transformed epithelial cells: their clinical applications2012

    • 著者名/発表者名
      Kajita M, Fujita Y
    • 雑誌名

      Nihon Yakurigaku Zasshi

      巻: 140(2) ページ: 76-80

    • 査読あり
  • [学会発表] Interaction with Src-transformed cells influences signalling pathways and behaviour of surrounding normal epithelial cells2012

    • 著者名/発表者名
      Mihoko Kajita
    • 学会等名
      The 4th EMBO meeting
    • 発表場所
      Nice Acropolis (France)
    • 年月日
      20120922-20120925
  • [学会発表] Interaction with surrounding normal epithelial cells influences signaling pathways and behavior of Src-transformed cells2012

    • 著者名/発表者名
      Mihoko Kajita
    • 学会等名
      第71回日本癌学会
    • 発表場所
      ホテルロイトン札幌(札幌市)
    • 年月日
      20120919-20120921
  • [学会発表] Epithelial defence against transformed cells via filamin-dependent vimentin reorganisation

    • 著者名/発表者名
      Mihoko Kajita
    • 学会等名
      北海道癌談話会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)

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公開日: 2014-07-24  

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