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2011 年度 実績報告書

病的骨破壊におけるシアル酸受容体シグレックを介した破骨細胞活性化制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23890008
研究機関北海道大学

研究代表者

高畑 雅彦  北海道大学, 大学病院, 助教 (40374368)

キーワード破骨細胞 / シグレック / 骨吸収 / シアル酸 / 糖鎖 / 糖鎖受容体
研究概要

本研究の目的は,シアル酸認識免疫グロブリン様受容体(シグレック)を介した破骨細胞の分化・活性化メカニズムと,その生体内における機能や病的骨破壊における役割の解明を目指すものである.
研究初年度である本年度は,申請者らが作出に成功したシグレック15欠損マウスの表現型について調査した.シグレック15欠損マウスは,野生型マウスと比較して,外見上の明らかな異常はなく,成長発達過程も正常であった.しかし,マイクロCTを用いて骨量や骨微細構造を観察したところ,シグレック15欠損マウスでは骨量の増加と骨微細構造の変化があることが明らかとなった.組織標本を用いて骨形態計測を行った結果,この骨量増加の原因は,破骨細胞機能の障害であると考えられた.
次にシグレック15と破骨細胞分化,活性化との関連を検討するために,in vitroにおける破骨細胞培養実験を行った.その結果,シグレック15欠損マウス由来の骨髄マクロファージは,成熟多核破骨細胞への最終分化が阻害されることがわかった。レトロウイルスを用いてシグレック15遺伝子を再導入すると,成熟多核破骨細胞形成能が回復したことから,シグレック15は破骨細胞分化において重要な役割を担っていることが明らかにした.
炎症による破骨細胞誘導とシグレック15の関連を明らかにするために,炎症誘発物質であるリボ多糖(LPS)をマウス頭蓋皮下に投与し,骨破壊の程度を比較した.シグレック15欠損マウスにおいても破骨細胞は誘導されたが,骨破壊の程度が軽い傾向があり,病的骨破壊にも関与する可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に計画したシグレック15欠損マウスの骨表現形の解析,病的骨破壊モデルの検討,およびin vitro破骨細胞分化における機能解析は予定どおり進行している.

今後の研究の推進方策

当初予定していた中和抗体を用いた治療研究は,抗体の機能に問題があるため,シアル酸をターゲットとした別の治療法開発を検討する予定である.
ヒトにおけるシグレック15の発現,役割の解析は予定どおり行う.リウマチ患者の滑膜,骨組織標本を用いた組織学的観察や血液,滑膜組織由来細胞を用いた分化実験を行う予定である.
内因性リガンドの同定を目指した研究も当初の予定どおり進める予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 免疫グロブリン様レクチンSiglec-15はDAP12を介した共刺激シグナルに関与し破骨細胞分化を制御する2012

    • 著者名/発表者名
      小松幹, 高畑雅彦
    • 学会等名
      Orthopedic Research Society 2012 Annual Meeting
    • 発表場所
      Moscone West Convention Center, San Francisco, USA
    • 年月日
      20120204-20120207
  • [学会発表] 免疫グロブリン様レクチンSiglec-15はDAP12を介した共刺激シグナルに関与し破骨細胞分化を制御する2011

    • 著者名/発表者名
      小松幹, 高畑雅彦
    • 学会等名
      日本骨代謝学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府)
    • 年月日
      2011-07-30

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公開日: 2013-06-26  

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