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2011 年度 実績報告書

口腔がん発生の原因となるARE-mRNA制御機構破綻の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 23890010
研究機関北海道大学

研究代表者

黒嶋 雄志  北海道大学, 大学病院, 医員 (00610669)

キーワード口腔がん / ARE-mRNA / pp32 / PP32r1 / HuR
研究概要

本研究は、口腔がん細胞におけるARE-mRNAの核外輸送及び安定化の機序を解明し、ARE-mRNA制御システムを標的とした新しいがんの治療法を開発することを目的としている。そのためにARE-mRNAに結合するHuRの挙動がどのように細胞のがん化に寄与しているかを解析し、それらを制御することにより新しいがんの治療法を開発することである。
本年度はHuRと結合するタンパク(HuR AP)をFLAGタグ付きのHuRを用いて単離を試みたが、良い結果が得られず、HuR APとして知られているpp32とそのファミリーpp32r1について解析を進め、以下のような新しい知見が得られた。
1)pp32r1の発現
口腔がんではpp32r1の発現が高いことが明らかになった。さらにpp32r1を発現した口腔がん細胞はソフトアガー中で大きなコロニーを形成し、pp32r1が口腔がん細胞を悪性化することも見出した。
2)pp32、pp32r1によるHuRの分解
HuRはpp32と結合し核外輸送され、細胞質でcaspaseにより分解され、そのことがpp32の持つがん抑制機構であると考えられている。我々はpp32r1を強制発現した細胞では細胞質でのHuRの分解が少なく細胞質に蓄積し、pp32が発現している細胞と逆の結果が得られた。この結果は、pp32ががん抑制活性を持ち、pp32r1が細胞がん化活性を持つことと相関している。
3)pp32、pp32r1とHuRとの相互作用
次にpp32、pp32r1とHuRタンパクとの結合を検討した。その結果、両タンパクともHuRと結合し、pp32r1の方がより強く結合することが明らかになった。
以上の結果は、pp32r1の発現が多くなると、HuRはpp32r1と結合しその分解を免れ、細胞がん化に寄与することを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

口腔がん細胞におけるARE-mRNAの核外輸送・安定化を解明する目的のため、初年度はARE-mRNAに直接結合してその輸送に関わるHuRタンパクと結合する、pp32とpp32r1について口腔がん細胞を用いて解析した。これらのタンパクはARE-mRNAの安定化やHuRの局在に影響することが明らかになり、今後これらの分子の解析を介して口腔がん細胞でのARE-mRNAの挙動を解明するきっかけができた。

今後の研究の推進方策

23年度に只腔がん細胞のARE-mRNAの安定化と関与することが明らかになったHuR結合タンパクpp32およびそのファミリーのpp32r1のARE-mRNAやHuRに関する影響を調べ、がん特異的なARE-mRNAの挙動を解析したい。また、当初から計画していたStress granules(SG)の解析や口腔がん細胞特異的なOral cancer specific HuR AP(OCS HuR AP)を同定したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.hokudai.ac.jp/bureau/topics/press_release/110223_pr_den.pdf

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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