研究課題
本研究では、細胞質内ウイルスRNAセンサーであるRLRのウイルスRNA認識の局在に着目し、RLRによる抗ウイルス自然免疫応答を分子及び時空間的レベルで解明することを目的としている。平成24年度は、まずIAV感染細胞において形成されるRLR、ウイルスRNA、PKRなどの抗ウイルスタンパクの顆粒をantiviral Stress Granule (avSG)と命名し、avSGがRLRを介した抗ウイルス免疫応答に必須であることを報告した(PLoS One)。 これまで内在性のmRNAの品質管理に機能していると考えられていたSGがRLRによる外来性のRNAの検知に関与していることを明らかにし、RLRを標的とした新規抗ウイルス薬への開発につながると期待される。次に、avSG形成を阻害するウイルスタンパク質の同定を行い、EMCVの持つウイルスタンパクの1つがavSG形成に関与する分子を切断し、avSG形成及びRLRを介した抗ウイルス自然免疫応答を抑制していることを見出した(投稿中)。さらに細胞質にはP-bodyと呼ばれるmRNAの分解に関与する凝集体も存在しており、P-bodyマーカー蛋白質として知られるDCP1aに蛍光ラベルした融合蛋白質を発現する細胞株を樹立し、avSGと近接してP-bodyが局在していることが明らかになった。さらにP-bodyのマーカー蛋白質に対するRNAiを用いた実験から、P-bodyにおいても抗ウイルス自然免疫応答への関与を示唆するデータを得た。また同時に、avSGの生化学的解析のために、細胞からavSGの単離抽出法の構築を行っており、現在までにホルムアルデヒドを用いた化学的クロスリンカー処理と窒素ガスを用いた窒素パージ法による2種類の抽出方法を用いてBufferや遠心条件などの検討し、avSGの抽出法の系が確立しつつある。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS ONE
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