研究概要 |
申請者が開発した3サブカテゴリー、29項目で構成される「回復期リハ病棟に入院する脳卒中患者の看護サービスに対する満足尺度(ver.1)」について、臨床現場で実施可能な尺度の完成を目指し、大サンプルでの調査を行い、尺度の洗練を行った。 回復期リハビリテーション病棟協会に所属する1,147病院の管理者に対して、研究趣旨を記載した依頼文書を送付した。書面にて同意を得た50施設で調査を行った。(東北 2、信越・北陸 4、関東 13、東海・中部 6、関西 8、中国 2、四国 7、九州 8) 調査内容は、当初29項目で行う予定であったが、ver.1を作成する過程で脱落した項目を再度吟味し、内容妥当性の側面から3項目を採用し、合計32項目からなる尺度を用いて調査を行った。配布数1068、回収数313、回収率29.3%であった。回答の欠損値を除く194名を対象として分析を行った結果、回復期リハ病棟に入院する脳卒中患者の看護サービスに対する満足尺度(ver.2)は3因子30項目から構成された。3因子とは「セルフケア支援」「看護師の倫理的態度」「信頼関係の構築」である。尺度開発における今後の課題として、信頼性の検討については、自分で回答可能な脳卒中患者のみを対象としていたため、回答者の負担や実施時期についてさらなる検証を要する。 今回の調査で、脳卒中患者がどのような看護サービスに対して満足しているかを知ることができた。これにより、病棟全体の看護の質の改善につなげることができ、脳卒中患者の満足を高める看護サービス提供体制を明らかにすることで、増設されている全国の回復期リハ病棟全体の質の向上に寄与できることが期待される。
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